日本舞踊から見る間の解釈プロジェクト


プロジェクト名: 日本舞踊から見る間の解釈
開催日: 2023年3月17日
会場: セルリアンタワー能楽堂
参加者: 千葉工業大学の学生、一般参加者

本イベントでは、千葉工業大学の変革センター研究員でメディア美学者の武邑光裕教授が最終講義を行い、日本舞踊家の花柳徳一裕さんが舞とレクチャーを披露し、武邑先生、花柳さん、変革センター所長の伊藤穰一がパネルディスカッションを行いました。

アーカイブ録画:【武邑光裕先生 最終講義】日本の伝統文化における<間>と<和>



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武邑光裕先生の講義では、「間」という概念が日本の芸術文化においてどのように重要で特徴的であるかについて説明があり、建築、庭園、美術、音楽、演劇など様々な分野での影響についての解説がありました。

武邑教授はまた、世界が多様な見解や意識、思想、イデオロギーによって分断されている現状についても触れました。これを克服し、異なる背景を持つ人々が融合し、健康的な社会を築く方法を見つけることが重要だと述べました。



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花柳徳一裕さんによる舞のパフォーマンスでは、その美しさと独特の世界観が参加者に強い印象を与えました。特に今回披露いただいた演目「北州(ほくしゅう)」は初代花柳寿輔によって振り付けされたもので、江戸の北の遊郭吉原を舞台にした年中行事と四季の風物を歌ったものです。この演目は、複数の登場人物を1人の舞踊家が演じ分けることで知られており、舞踊家が18人の異なる人物を次々と演じていき、最後の18人目では自分自身を演じるという特徴があります。このような演技は、舞踊家の高い技術と表現力が求められるため、北州は日本舞踊の中でも特に注目される演目の一つとなっています。

日本の文化は独自の美学と伝統を持ち、世界に広がる可能性を持っています。技術の進歩と日本の文化が交差する時代に生きる中で、異なる背景を持つ人々が理解し合い、共存する社会を築くために、日本の文化が果たす役割について考えさせられます。私たち一人ひとりが、日本の伝統的な美意識や現代の日本の芸術・産業との関係を理解し、それを活かすことが求められているのかもしれません。



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最後のパネルディスカッションでは、武邑先生、花柳先生、伊藤穰一による意見交換が行われました。具体的な内容としては日本の伝統的な文化、特に舞踊とデジタル時代の日本文化の関係について議論が交わされました。

武邑教授と伊藤穰一との出会いは、20年以上前の京都での共同研究から始まりました。その後、お互いに海外での経験を経て、再び日本で再会し、変革センターでの共同研究に至ります。ディスカッションでは、日本の伝統芸能である舞踊が、現代のデジタル化やAI技術とどのように関連しているのかが議論され、また、日本の伝統文化を保持しつつ、最適化や合理化が進む現代社会での在り方についてディスカッションが繰り広げられました。